株式会社丸信

三方よし通信

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【社長コラム】身の丈にあった寄付が可能、企業版ふるさと納税

先日、他県の自治体の首長さんが弊社にお見えになり、企業版ふるさと納税を打診されました。

個人版のふるさと納税は各地の物産などを受け取ることができ、人気があり、実施されている方もいらっしゃると思います。企業版はなんとなく聞いたことはありましたが、詳細は知りませんでしたので今回調べてみました。

2016年に創設された企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)ですが、2020年の税制改正で大幅に税額控除が拡充されています。

通常100万円を寄付したとすると、寄付先が適正ならば、この寄付は全額損金扱いとなり、法人の実行税率を仮に30%とするなら法人税も30万円減りますので、実際の企業負担は70万円と言えます。

しかしながら今回の税制改正では税額控除が大幅に増えて、90万円が控除されるという仕組みです。企業側からすると100万円寄付しても10万円の負担で済むことになります。

とは言え、1割は完全な持出しです。個人版のふるさと納税と違って返礼品はありませんし、バーターで仕事を発注してもらうことも禁止されています。

決して得をする制度ではありませんが、実質負担額の10倍の寄付が行えます。本社がある市町村には寄付は不可ですが、営業所や工場がある自治体、経営者の出身地などが想定されます。

メリットは、SDGsのエビデンスとしては十分だと思いますし、一定のPR効果はあるかもしれません。自治体との良好な関係構築や反対に企業側から自治体にこの寄付金をテコにした実証実験や事業提案も可能です。実施時期も柔軟に設定できますので利益の状況を見ながら決算月に行うことも可能です。

打診されるまで全く関心がなかったこの制度ですが、調べてみたら面白い制度ではあると思いました。

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