株式会社丸信

三方よし通信

三方よし通信

【社長コラム】増えるM&A

最近、金融機関、仲介会社さんなどから頂くM&A案件の紹介数が増えたと感じております。

少し前は【売却を希望する企業数<<買収を希望する企業数】と言われ、一つの案件に対して、買いたいと手を挙げる企業が多く、譲渡価格も高騰気味だったと思いますが、最近はコロナ禍の影響もあり、売り案件の数が増えているようで、弊社にも多くの情報が寄せられるようになりました。加えて、後継者不在の団塊の世代の経営者の方が本気で事業承継を考える時期であることも影響しているのでしょう。

弊社は先代の時代に1社、私が代表になってから株式譲渡で2社、事業譲受で2社をお引き受けしてきましたが、最初の1社は単年度黒字化するのに25年掛かりましたし、現時点でどれも明確に成功したとは言えません。

お恥ずかしい話ですが、最も大きな失敗は、〈引き継いだ企業さんが弊社の競合企業をメインの顧客としていた為、引き継いだ瞬間に、たった一人の営業もその競合に引き抜かれた上に、瞬時に売上の40%が無くなった。〉というものです。弊社の力不足もあり、未だにその穴を完全に埋めることができていません。

その他、〈お客様と相当不利な条件(価格、在庫、お支払いなど)で契約されていた。〉にも未だに苦労していますし、〈月次決算を行っていなかったので、実態を把握できない。〉などもございました。同業他社の例ですが、〈買収した後に、被買収企業の幹部の方が社員とお客様を連れて独立し、もぬけの殻となった。〉という事例などもあったようです。

そもそもM&Aは圧倒的に情報を被買収企業が持っていますので、買収企業の方が不利です。他にも多くの失敗事例をお聞きしました。

ただ、リスクが高いからやらないというのでは進歩がありません。M&Aの専門家など信頼できるパートナーと共に、事前のデューデリジェンスや契約書でリスクを限定的に抑えることもできるものと思います。失敗から学びつつも慎重な姿勢は崩さずに、引き続き検討していきたいと思っております。

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