株式会社丸信

三方よし通信

三方よし通信

防水紙の話

最近、雨が多いせいか、「耐水紙」の問い合わせが増えたと感じます。冷蔵庫から出した際の霜付き対策や水場での使用、ドリンク用、雨の日に使いたいなど目的は様々なようです。

耐水紙と言っても様々な物があります。

防水と聞いて私が最初に思い浮かべるのはユポ紙をはじめとする合成紙。シールで良く使用しますが、糊なしもあります。「紙」と付いていますがPP(ポリプロピレン)が原料です。

ユポ紙は、王子製紙と三菱油化が森林伐採を軽減する為に石油由来の紙を作ろうと開発されたもの。三菱油化「YU」とペーパーの「P」、王子製紙の「O」の頭文字をとって「YUPO」と名付けられたそうです。以前、開発当時の話を聞きましたが、三菱油化の日勤の人が帰った後に夜中だけ製造工場を借りて開発されたそうです。

《ユポ紙の特徴》
・シールやポスターなど様々な用途で使われる合成紙界の王様。
・熱がかかる場合には熱に強いPET系の紙を使う事も多い。
・水には強いが罫線や型押しは難しい。
 型を入れても戻りやすい。

パッケージの中でも「耐水でお勧めは?」と聞かれて紹介する紙として「OKフレーズ耐水」があります。

パッケージで使用する耐水紙には2種類あり、表面層だけ耐水加工をした物と、中間層の繊維まで耐水性を持たせたものがあり、OKフレーズは後者の作りでありながら価格帯は表面層だけを耐水加工した耐水紙に近いという特徴を持っています。

ただ、私がこの紙が好きな理由は、値ごろ感だけではありません。

OKフレーズは、食品に接触することを想定して作られたもので、徳島の雄大な森林を守る為に出てきた間伐材から、建築などで角材を作る際に出た端材などを用いて、計画的に管理された森林木材のバージンパルプ100%で作られています(FSC対応)。
また、古紙が入っていないため、古紙に含まれる異物(金属分等の入り込み)のリスクが少なく、蛍光増白剤、PCB(ポリ塩化ビフェニル)なども使われていないため安心です。日本の森林を守るお役に立てることと、安全であることがOKフレーズが好きな理由です。

耐水だけでなく耐油性を求められる場合もあります。耐油に関しては日本製紙系が強い印象です。用途に応じて両面耐油、表だけ耐油、裏だけ耐油、耐水性もあるものなど様々な種類があります。耐油紙は使用用途に合わせた選択が重要になります。

紙の製造にも開発者の思いや努力、ご苦労があって初めて使って頂くことが出来ます。紙メーカーの方には感謝です。出来るだけ無駄を出さないように大切に使っていきたいです。


  (記事:平木)

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