株式会社丸信

三方よし通信

三方よし通信

【印刷コラム】ある日から突然、見えるようになる夾雑物(きょうざつぶつ)

最初は見つけることが出来ない人もいて、見つけられない人には代わりに見つけてあげて〇をつけます。一つ見えるようになると次々と見えるようになります。同じページ内に、少ない人で2〜3か所位、多い人は10か所位〇が付きます。皆さんに〇を付けてもらった黒点のことを【紙の夾雑物】(きょうざつぶつ)と言います。点だけでなく線状や色も赤や青や金などもあります。

これは、木材からパルプを作るときに入る異物や、 紙の再生紙の製造過程で漂白できないもの、パルプが炭化や化学反応したものなどが入り込んだものです。お茶を買うと、浮遊物が茶葉のかけらであることが書いてありますが、それと同じようなものと考えてください。原紙メーカーとしては許容とされているものなのでほとんどの紙製品には入っていることが多いです。新人のみなさんに「今まで気づいていた人はいますか?」と質問すると、毎年、おおよそ3割ぐらいの人が手を上げます。さすが、印刷会社に入ってきただけのことはあります。

「入っていたのは見たことがあるがこんなに多いと思わなかった」、「今まで使っていて気になったことは一度もない」、「黒点に付けた〇が多くてビックリした」、「これはどのページにもあるんですか?」などの感想が続きます。

道に生えた花や石ころなども普段は見えていなくても、気づいた日から見えるようになります。例えば、髪の毛の白髪や枝毛、抜け毛なども、昨日と今日ではほとんど差はないはずなのに、気づいた日から急に気になります。夾雑物もそれと同じで、今まで気にならなかった人も、気になると見えるようになる性質があります。黒点は今までなかったものが急にどの印刷物にも現れた感覚になります。印刷会社あるあるです。

以前、他の印刷会社から聞いた話です。手のひらサイズの化粧箱ですが、夾雑物や汚れが全くない箱が3枚欲しいと言われて30万枚印刷したという逸話を聞いたことあります。そのくらい、夾雑物は日常的に入っているのが当たり前なのに、ほとんどの人がその存在にすら気づいていません。

夾雑物以外にも、箱の形式、開けやすさ、紙の厚み、紙目など、今まで気にしなかったことが研修でパッケージ製造の仕組みに触れることで「この紙何だろう?何色印刷だろう?これ表面加工なに?これは機械で糊貼りできるのか?」などが気になってきます。色々な紙製品に興味を持ち成長してお客様のお役にたてると良いなと思いつつ、新人さんのマニアックな質問が増えてくる度にドキドキ・ワクワクしています。