株式会社丸信

三方よし通信

三方よし通信

【印刷コラム】箔と墨の相性

『えっ、本当に?』

『なんか墨の中に含まれているものと箔に含まれているものが反応するらしいです。』

この手の話は、詳しく確認するに限ります。

箔メーカー2社に確認を取ると、1社はご存じで1社は知りませんでした。また、ネットで調べても詳しく出てきません。総合的な話を統計すると次のような結論になりました。

黒色に含まれる色のもとになるものはカーボン(石炭)に由来するものです。箔のフィルムはアルミが含まれています。そのカーボンとアルミに熱や湿度の条件が加わると電極が発生するらしいです(備長炭電池などと同じ理屈なようです)。

箔押し(ホットスタンプ)は熱で糊を溶かします。熱、水分、箔(アルミ)、黒色(カーボン、石炭)の条件が揃うため、保管条件などにより、電蝕現象(電気で金属が腐食する)現象が起きるとのことでした。僅かな電力なので数か月から1年ぐらいかけて劣化するようです。

その対応方法としては、

1. 絶縁箔(電子レンジ対応の箔)を使用
アルミを使わないため電気が発生せず電気を通しません。種類が少ないのが欠点。

2. 印刷などの黒印刷の場合は『ノンカーボンの墨』を使う
少し薄い黒色になるのが欠点。

3. 間にノーワックスタイプのニスを引いて箔のアルミと墨インキのカーボンの接触を防止する
軽減になると思われる。

今回調べる過程で、色々な事を新たに知ることが出来ました。ご協力いただいた箔メーカーの担当者さんや、情報をくれた社員さんに感謝です。