株式会社丸信

三方よし通信

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【社長コラム】サイゼリヤ

先日、カジュアル・イタリア料理チェーンのサイゼリヤさんの決算資料を眺めていて、驚きました。売上の過半を占める国内は全く利益が出ておらず、利益のほとんどを海外で稼いでいるのです。
サイゼリヤは今年の4月に「値上げしない宣言」(国内)を行っています。このインフレ時代に価格据え置きとは驚きましたが、実際は国内ではほとんど利益がでていないのです。海外で稼げているからそできるとも言えます。

余談ながら、サイゼリヤの創業者は大学の大先輩で専攻も物理学科とまったく同じ(学部は違います)。創業の地が千葉の市川で、千葉県には店舗が多く、学生時代には柏市の店舗で大変お世話になった想い出があります。地元の久留米市には現在大型ショッピングモールの中に1 店舗だけあるのですが、スパークリングワインをボトルで飲んで、お腹いっぱいイタリア料理を食べても「え!」という安さです。個人的な感想を言えば、「ここまで安くしなくても良いのでは?」です。

サイゼリヤの人気定番料理の「ミラノ風ドリア」は税抜き3 0 0 円。1店舗で月間2 5 0 0 食販売しているそうです。
これを仮に1 30円値上げしたらどうなるか?その他のコストは変わらないとしたら、国内の店舗数は約1 0 0 0 店だから、30円×2500食× 12か月×1 0 0 0 店舗 ≒ 9億円の営業利益増です。

上のグラフから半期で34百万円しか利益が出ていないことを考えると、大きな差です。他のメニューも少しずつ値上げすれば、大きな利益改善になることは明白です。

————— なぜ値上げしないのだろう?

我が大学の物理学科の大先輩がそんな単純な事を理解できないはずはありません。もっと深い理由があるのかも。国内の市場では価格を少しでも上げると売上が落ちる可能性を示すデータがあるのかも知れません。

私は外食の素人ですが、それでも、「値上げ」が最適の解に思えてならないのです。

平木洋二

※グラフはサイゼリヤ社の2 0 2 4年8 月期第2 四半期決算資料より平木作成