株式会社丸信

三方よし通信

三方よし通信

【印刷コラム】恐怖の変化する色見本

かなり昔のお話です。営業から「箱が緑色でカビが生えたようになっている」との連絡がありました。色見本と刷りサンプルを取り出すとやはり緑色。カビに見えなくもないです。難しい紙と色で、許容範囲とも思えます。

私「見本も緑で、判断が付きません」

営業「見本は緑ではなく茶色やったよ」

私「え?目の前の見本は緑です。夕方、帰ったら確認してください」

その後、「やっぱり茶色だよ」と連絡があり、そんなはずはないと営業の元に行くと、見本が茶色になっていました。2時間程しか経ってないのになぜ?キツネにつままれたような気分です。

この色見本は、実際に印刷に使用する白のクラフト系の紙に、インクジェットプリンターで印刷したものでした。本紙で出力した方がイメージしやすいという営業の配慮です。

調査の結果、原因は紙に含まれている「蛍光増白剤」の影響でした。これは紫外線が当たると青~紫色に発色し、黄みを抑えることで紙をより白く見せる薬剤です。紙や洋服の布などにも使われています。国産のコートボール等では使用されていませんが、海外紙やコピー用紙などの青白い紙や真っ白い紙のほとんどに使われています。

これが怪事件「恐怖の変化する色見本」の真相です。

ちなみに、当社のインクジェット出力紙は蛍光増白剤が少ない紙で出しているので安心です。

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