株式会社丸信

三方よし通信

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【印刷コラム】蛍光インキと耐光性

丸信では新版の製品に対し各製造工程の作業者が原稿(デザインや仕様や面付)をみて、事前に問題点を発見する仕組みがあります。

私「蛍光インキを使ったカレンダーは止めといた方がいい。すぐに色が退色するよ」(カレンダーは基本的に飾るものなので耐光性は重要です)

蛍光インキはとっても明るい色のインキなのでデザインが映えます。しかし明るい色は、紫外線を通しやすいため、色の顔料・染料がダメージを受けやすく退色しやすくなっています。

色により退色しやすいインキと退色しにくいインキがあり、一般的に墨と青は紫外線に強く赤系と黄色系は紫外線で色が退色します。古い看板で青色だけが残っていることがありますがこれは退色により赤と黄色の色が無くなったものです。

耐光性(耐候性)のインキというものもあります。このインキは通常のインキよりも若干濁っています。しかし、その分、耐光性は強くなります。

その後、このカレンダーをデザインした弊社のデザイナーから「このカレンダーは蛍光色を有効に使うことをコンセプトにデザインしました。何とかならないですか?」と相談がありました。

退色と聞くと色が薄くなるイメージですが、実際は色が無くなるところまで行きます。そこで、まずは退色に関する資料を見て頂きました。

私「下手すると、墨と青しか残らんよ」

デザイナー「そこまでは考えてなかった・・・」

するとデザイナーからと提案がありました。

面白いアイデアです。

この方法にはいくつかの利点があります。

欠点をあげるなら1色増えることです。実際にやってみると、結果は想像以上に良い仕上がりで、少し濁ることを想定していましたが色目は想像以上にはっきりと出ており、奇麗な蛍光色でした。デザイナーに見せると大絶賛!今後、蛍光インキをやる上でとてもいい勉強になりました。感謝です。