株式会社丸信

三方よし通信

三方よし通信

【社長コラム】高校生採用

先月に続き人材採用のお話です。

これまで主に生産現場には高校生の新卒を採用し続けてきました。4人いる工場幹部のうち2人は新卒出身です。特に多いのが福岡県南部の県立工業高校、そして、弊社からすぐ近所にある農業や調理、介護などに特長をもつ職業系の県立高校です。10年以上毎年のように1人か2人は採用してきました。しかし、来春はこの両校からの採用がゼロで終わりそうとの報告を受けました。工業高校からの出身者は弊社で活躍中の方も多く、OBやOGが技能五輪やラベルコンテストでも好成績を挙げ、母校で講演の機会まで頂きました。近所の高校では学校評議員を仰せつかっています。なのになぜゼロ?採用担当者に聴くと、やるべき事はしっかりとやっていました。

原因の一つは求人の多さです。近所の高校は就職希望者約40人に対し、今年約1200社から求人があったようです。倍率30倍です。全員が希望する企業から内定をもらえたようです。企業にさらに人気の工業高校はもっと求人が多いものと推測できます。

慌てて周辺の他の高校にもアプローチし、なんとか必要数は確保してくれたようですが、むしろ高校生の方が大学生よりも採用が難しくなったのだと思います。

少子化で大学も専門学校も定員割れの学校が少なくありません。推薦入学などの無試験に近い入学ルートも増えており、そもそも就職希望者の絶対数が減っているのです。そんな貴重な高校生を奪い合う構造になっています。

もう一つの原因は県立高校の先生の転勤です。公務員ですから一定の期間で別の県立高校への転勤があるのです。これまで学生に弊社を推薦してもらっていた先生が別の高校に転勤してしまい、関係が途絶えてしまったことも今回の背景にあります。

待遇改善を行うことは当然として、他に方法が無いものかと考えていた所、高校の新卒採用のコンサルの方を紹介されました。高校生の目線に立った様々なツールを制作したり、待遇の改善などをアドバイスされている方でした。その方からは弊社がすでにそれらが一定のレベルにあることを把握された上で、残された手段として、先生の転勤の少ない私立高校へのアプローチと遠方(特に離島や過疎地域)の高校へのアプローチを勧められました。遠方の高校からの採用には多くの成功事例があるようです。当然18歳の皆さんに一人暮らしを強いることになりますから、食や住に関するサポートが必要になります。来年は弊社も遠方の高校にもアプローチすることも視野に入れています。

同様の事を大企業も考えているはずです。九州の高校生をターゲットにする中央の大企業との高校生の奪い合い、待遇改善の継続など、ここにも一定の注意が必要だと思います。

最後にご報告ですが、先月お伝えした技能実習生を教育するための日本語検定N1、N2人材の採用ですが、ご縁があって1人の方に内定を出しました。これから労働ビザ等の手続きに入ります。