株式会社丸信

三方よし通信

三方よし通信

【印刷コラム】失敗から学んだこと

先日、印刷なしで箔押しだけという条件の化粧箱を作成した時のこと。印刷がないため、カットと箔の位置をどう合わせるかがポイントになる仕事です。

当初、無地箱をサンプルカット機でカットした後に、罫線やカット線を目印に箔押し加工を行う順番で計画していました。

しかし、デザインは罫線(折り曲げる所)に箔が掛かっており、後からの箔押しだと罫線の凹凸で箔不良となる可能性がありました。そのため、先に箔押しをして後から罫入れカット加工をする方法に変更しました。

通常、箔と抜きの位置を合わせるために見当トンボという目印を印刷して位置決めをしますが、そのために印刷すれば値段が高くなり、それならばと箔版で見当トンボを入れれば箔の面積が広くなり箔版代が高くなります。

そこで見当トンボではなく、紙端からの位置で箔押しと罫入れカット作業を行うという、これまでやったことのない方法で化粧箱を作成することにしました。紙端と箔版の位置の当たりのフィルムを出力し、それに箔版の位置を合わせます。

後日、その箱をサンプルカット機でカットしていると聞いて、上手くできているだろうかと作業状況を確認しに行きました。ワクワクドキドキです。位置ズレもほとんど見られず罫入れとカットは上手くいっていました。

しかし、実際に現場を見に行くと加工の様相が違っていました。どうやら発注していた原紙が、お客様の要望の紙質ではないことが分かり、すぐに発注し直し、最終的に納期がずれることに。この間、納期重視なのか、正しい紙質を重視されるのか、お客様のどのようなご要望にもお応えできるように、①間違った紙(初回)②代替案の紙(念のため)③正解の紙(最終)と3パターンの加工を行いました。

最終的に、納期はずらしても正しい紙で作成してほしいとの依頼を受けましたが、初のやり方を3回行ったことで、結果として良いこともありました。毎回、進行状況を確認しに行ったのですが、その際に箔押しでもカット加工でも1回ごとにやり方が進化しました。素晴らしいです!

1.紙端から位置決めするので紙は先、小さくカットする(こうすると合わせやすい)

2.最初、両面テープ貼りは先に罫線が入った段階でカット機を止めてテープを貼り、その後カットしていましたが、紙のサイズに対して窓枠を作り、そこに最初からテープを貼っておくことで、カット機を止めずにできるなどです。

私の失敗は反省しかありませんが、そのことで多くの工夫による学びがありました。この経験は、必ず次に活かそうと決意を新たにしました。また、多くの人に支えられていることに改めて気付くことができました。

対応していただいたお客様、紙を緊急で用意していただいた紙屋さん、作業に当たってくれただけでなく早く綺麗に完成するために改善してくれた現場の担当者など多くの人に助けていただきました。

本当に感謝です。

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