株式会社丸信

三方よし通信

三方よし通信

【印刷コラム】FSC(森林認証)の封筒を作ろう!!

最近、色々な箱でFSCマークが入った製品をよく見るようになりました。FSCとは、”Forest Stewardship Council”の頭文字を取ったもので、森林管理協議会という国際的組織のことです。深刻な森林破壊を問題として捉え、持続可能で適切な森林管理を世界に広めることを目的に設立されました。森林から紙をつくり、製品にするまでの全ての行程が適切に管理されている製品にFSCマークを入れることができるのです。

せっかく当社もFSC認証資格を持っているのだから、社用の封筒などもFSC認証紙で作成しようという話が出ました。封筒にFSCマークを入れる場合、以下の2つの方法が考えられました。

①FSC認証を持っている外注先に封筒作成を依頼する
②自社で印刷して、FSC認証時に外注先として契約している製袋外注先に製袋を依頼する
※FSC認証に関する契約を結んでいる外注先でないと、マークをつけることはできません。

早速、①について調べると、色々な制限があることが判明しました。まず、紙の選択肢が少ないこと。中身の文字などが透けない封筒用の紙は、FSC未承認でした。また、承認済みの紙の場合、認証番号入りのFSCマークが先に印刷してあるために、当社の認証番号のFSCマークを入れることができないと分かりました。
※FSC製品は、付与されているライセンス番号で、どの会社で作成されたかが分かるようになっています。

そこで②について検討することになりました。この方法だと、選択できる紙の種類がかなり増えます。印刷内容も自由自在です。ただし、封筒の中身の文字が透けないようにするために、どのように細工するかだけが課題となりました。

とりあえず封筒の内側に印刷して文字を透けないようにしようと考え、試し刷りしてみると…かなり透けています(T_T)

中身の文字が透けないようにするためには、透けにくいインキを使う必要があります。それは、墨、白、金、銀などです。白だと文字の色が濃いと中身が透けそう、墨だと封筒の表面に濁りが強く出てしまいそうとのことで、銀で印刷してみましたが、まだ透けます。

そこで考えたのが墨の網点を入れる方法です。最も遮光性のある墨インキを使い、網点なので封筒の表面に出る濁りを軽減させることができます。【中身の文字が透けない】ことと【封筒表面の濁りが目立たない】ことを両立させるには網点を何%にするのがベストなのかを探るために40%をベースに、余白に10~90%くらいの網点の階調パッチを付けて印刷しました。大体30%くらいで中身の文字は透けなくなりましたが、濃度のブレ幅も考えて40%にすることにしました。

この方法でFSC認証紙でも透けない封筒が作成可能になりました。請求書や納品書にFSCマークを入れることは、環境への取り組みにとって良い方法です。今回、協力してくれた印刷オペレーターや製版の担当者に感謝です。

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