株式会社丸信

三方よし通信

三方よし通信

【社長コラム】チャンスの芽

今年はロシアのウクライナ侵攻に起因する資源高で大変な一年となりました。一時は1ドル150円を超えた為替も、140円前後(11月15日時点)とやや落ち着きを取り戻しました。それでも未だにあらゆるものが高止まりしています。来年以降、どのような展開になるのか予測も難しい状態です。

さて、コロナ以降、このような混沌とした中、業績好調の企業が弊社のお客様の中にございます。好調の要因は各社各様ですが、海外(特に輸出)に目を向けておられた企業様はコロナ禍でも比較的好調だったと思われます。背景には海外での日本食の根強い人気があるのかも知れませんが、門外漢の私には詳細は分かりません。ただ後悔していることがあります。

実はコロナ前に越境ECの支援事業に取り組むべしとの提案が社内の若手からなされていたのです。すぐに取り組めばよかったのですが、何から始めたら良いか分からず、調査対象としておりました。ようやく最近、越境ECに知見のあるコンサルの方と出会い、数ヶ月前から準備を開始したばかりです。もう少し前から着手していれば、このコロナ禍かつ円高の中、お客様のお役に立てたかもと反省しておる所です。

スタンフォード大学の心理学者、クランボルツ教授は、ビジネスで成功した人のキャリア調査から、そのターニングポイントの8割が、本人の予想しない偶然の出来事によるものだったとの結論を得て「計画的偶発性理論」を提唱しました。予測の難しい、混沌とした時代には、企業や個人の状況は必ずしも自分達の意思でコントロールできるものではありません。何をしたいかという目的意識に固執すると、目の前に訪れた想定外のチャンスを見逃しかねない」とクランボルツ教授は指摘しています。

明確なゴールを定めず、目の前の事象に焦点を置いてキャリアを考える計画的偶発性理論が注目されているようです。あらゆることに好奇心や興味を持ち、自分の目標にこだわりすぎずに様々なことにチャレンジしてみる、そんな視点からの事業運営も時として必要なのだと考えた次第です。