株式会社丸信

三方よし通信

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【社長コラム】SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)

昨年、経済産業省が一部の大企業や金融機関などと「サステナブルや企業価値創造のための長期経営・長期投資に資する対話研究会」(SX研究会)を立ち上げており、その議事録を会合の都度HPで公開しています。DX(デジタルトランスフォーメーション)だけでも消化しきれてないのに、もう次のSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)かと思われたかもしれません。

しかしDXより重要な概念となる可能性があります。SXとは「企業としてのサステナビリティを高める」「企業の中長期的なリスクと機会の双方を把握し経営に反映する」 「これらを経営の軸として都度アップデートを行い環境変化への適応を行う」の3つからなる定義づけが行われました。もっと簡単に言うと、 「稼ぐ力」 と 「ESG(環境・社会・企業統治)」の両立を図りながら長期的な成長を目指すことだと言えそうです。

これに比べるとDXとは、誤解を恐れずに言えば「ITやデジタル技術によって企業の競争力を高めて行くこと」ではないでしょうか。より短期的な価値向上に焦点が当たっている印象です。多くの方が既にお感じの通り、あらゆる業種においても持続可能性(サステナビリティ)が要求されるようになりました。配慮しなければサプライチェーンから外されるという事例は実際に聞いてもいますし、自社でもすでに体験しております。環境・社会・企業統治のすべてに配慮しなければ、意識の高いお客様からは選んでもらえない時代です。

本来、経営者であればだれでも(明文化しているか別として)本能的に「企業の中長期的なリスクと機会の双方を把握し経営に反映する」は行っておられると思います。このSXではサステナビリティの観点からリスクと機会の両方を強く意識し、経営を変えていくことだと言えます。

弊社でもESGに対する意識をもう一段上げなければと心新たにした所です。このSXの話を読みながら、渋沢栄一翁の次の言葉を思い出しました。

「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である。」

SXとは、なにも新しい概念ではなく、まさに「稼ぐ力」と「ESG」の両立を目指せと昔から言われてきた、ごく当たり前の商売人としての心得なのだと思います。