株式会社丸信

三方よし通信

三方よし通信

【印刷コラム】紙の腰

紙のコシの漢字って腰であってますか? このような質問を受けました。
「紙のこし」と書くと「紙残し」「紙の古紙」とも取れるので、私は「紙の腰」と書くようにしています(たまに変換の関係で「紙のコシ」のままのときもあります)。
コシ(腰)という表現は「うどん」で使われているのと同じような意味です。「讃岐うどんは腰があるね」「腰が強い」とかです。粘りとか弾力がある、という意味で使います。
ちなみに、「パンの耳」のように「紙の耳」や、「潮目」「木目」のように使う「紙の目」など、体の一部を使用した表現は数多くあります。

さて、紙の腰は、パルプ繊維の種類、密度、向き、長さなどによって、曲がるときの反発力やしなやかさが変わるためとても重要です。腰が強い紙は、ピンと平な状態で折り曲げても戻ろうとする力が強い状態を指します。一方、腰が弱い紙はすぐ重力に負けて曲がってしまうし、一度曲げると戻ろうとしません。
そして、紙の腰は紙の目の影響を受けます。紙の腰は、縦横同じ強さではありません。紙の目が縦に入ったものと横に入ったものがあるためです。例えば本などは開いたページが戻り難く、ページが垂れ下がってこないような目で作成します。
パッケージやラベル、チラシなどにもこの腰を考慮した紙目を考えることは重要になります。パッケージの場合、腰が強いことは内容物の保護につながります。しかし、腰が強すぎると戻ろうとする力が働きすぎて作業性が悪かったりします。チラシなども腰がないとチラシ立てでお辞儀をしてしまします。
腰が良くないと人も紙製品も十分な働きが出来ません。

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