株式会社丸信

三方よし通信

三方よし通信

【印刷コラム】未晒クラフトと両更クラフト

クラフト紙について次のような質問を受けました。「未晒(みざらし)クラフトと両更(りょうざら)クラフトって 同じですか?」

良い質問ですが、回答に少し迷いました。それは、同じものを指すけれども同じ意味ではないからです。「ほぼ同じものを指すけど意味が違うから必ず同じとは限らない」と答えました。

「晒」とは紙を白くするという意味なので、未晒は「紙を白くしていない」そのままのクラフト紙という意味になります。一方、「更」は表面加工をしていないそのままの紙という意味なので、両更とは「両面に何の表面加工もし ていない」という意味になります。つまり片側をコーティングした片艶クラフトなどと識別するための言葉として使います。「晒」に対して「未晒」、「両更」に対して「片艶」の関係となります。

そして、何も加工がされていないことは省略されることが多いです。「未晒」も「両更」も両方とも省略して「クラフト紙」とだけ言ったり、「未晒」を省略して「両更クラフト」、あるいは「両更」を省略して「未晒クラフト」と言うこともあります。「未晒クラフト」も「両更クラフト」も正式には「両更未晒クラフト」と言うのが正しいかもしれません。省略されているだけなので結局、同じものを指します。

しかし、その意味を正確に知っておくことは重要です。例えば「片艶晒クラフト」は、片方に艶がある加工がしてある漂白したクラフト紙という意味になります。

言葉の意味を知ることと、何もしない状態が省略されることを知っていれば、「晒クラフト」(白いクラフト、両更は省略)はどんな紙なのか、「片艶クラフト」(片艶のクラフト、未晒が省略)もどんな紙なのか分かります。

品名の意味の重要性について改めて考える良い機会を与えてくれた質問者に感謝しつつ、お客様にも、その言葉の持つ意味をしっかりと意識して説明したいと思いました。