株式会社丸信

三方よし通信

三方よし通信

【社長コラム】限界都市

先日、八女市で会食があり、タクシーで自宅のある久留米まで帰ろうとしたのですがタクシーが捕まりません。5、6 年前に八女で食事した際は客待ちしているタクシーが数台あったような記憶があるのですが、コロナ禍もあり台数が減ったようです。結局1時間以上待つ破目となりました。

八女市の人口統計(未来予測)を調べていくと恐ろしい事が分かります。2020年に約6万人だった人口が2040年には約4万2千人まで減るというのです。余程の事が起きない限りは人口の未来予測は正確です。たった20年間で30%の人口が失われることになります。

少子化や他の地域への転出が主な原因です。30%も人口が減った地域では地域向けに小売りや飲食、サービス業を展開している企業や商店には衝撃的なほどのマイナスのインパクトがあります。売上はもちろん働く人を確保するのさえ、現在よりも相当な困難を伴います。

調べて行くと大都市やその周辺都市には人口が流入するので同じ県内であっても大きな違いがあります。福岡市は少子化は進みますが、人口は当面の間は増える予測です。何も福岡県に限ったことではありません。福岡はまだ良い方で九州他県の地方自治体はもっと早く大幅な人口減少に直面するの先はほぼ間違いありません。既に直面しているはずです。※

弊社の地元の久留米市でもここまで極端な減少はありませんが、20年で約5%の人口が減ると予想されています。久留米市も市内郡部には将来、行政サービスが行き届かない可能性があるとして中心地への移住を勧めています。これくらいの緩やかな人口減少でも、採用面では10年前、20年前と比べるとかなり難しくなりました。

こういう厳然たる事実からすると、地方企業は大都市で販売することに力を入れざるを得ません。もしも輸出できるような商品力があるのならば海外に売ることも視野に入れないと早晩ビジネスが立ち行かなくなると強い危機感を感じております。

日々暮らしていると感じないのですが、人口減少は確実に進行しています。八女という文化や歴史、伝統産業や自然にも恵まれた街での体験で対策を打つなら今しかない、そう思わされました。