株式会社丸信

三方よし通信

三方よし通信

【印刷コラム】凹凸紙への印刷の工夫

「和紙」や「ラフバガス」や「クレープ紙などの凹凸の紙」など風合いの良い紙がありますが、品質管理から「今回の製品バーコードが読みにくいです」と連絡がありました。確認するとバーコードがかすれています。

凹凸のある紙で前回品と比べて、インキがきれいに乗ってない凹の部分がかすれています。しかし、インキの乗りを見ると、前回よりかなり濃く、圧もかけている様子です。印刷作業者に聞くと、インキも柔らかくして浸透しやすくて、圧も盛りも限界まで上げてみたとのこと。これは紙に起因するトラブルです。

表面にコーティングがなく、ふんわりした風合いに仕上がる「和紙」や「ラフバガス」や「クレープ紙などの凹凸の紙」などの紙は風合いが良く、自然な仕上がりで良い感じの箱やシールに仕上がります。しかし、印刷現場からは「すみません。前回通りの仕上がりになりません」という声がしょっちゅう聞こえてきます。

  • 今回はべた部分がぱさぱさになっている。
  • 今回は細かい文字がかすれている。
  • 今回はインキが乗りすぎて前回のパサついた風合いが出ない。
  • 今回は前回と紙の厚みが違う。
  • 今回は前回と紙の色が違う。

これらの現象はこれらの紙の製法が、ふんわりとした風合いを出すためにラフな状態で作られていることに起因しています(ラフバガスのラフはそこから来ているらしい)。わざとそうしているので、品質異常ではなく紙の特徴なので、紙屋さんにはクレームとしては受けてもらえません。

  • 一回印刷機に通す空通しやその他の工程で圧を加える⇒凹凸を抑える。
  • ニス等を塗る⇒平滑性を出す。
  • インキを柔らかく、圧を強くなど。

様々な方法を試すのですが、なる場合もならない場合も、なるけれども他の不具合が出るなど様々です。これらの材質を使用する場合は出来るだけベタが少ない方が安全だな、文字は大きめがいいな、バーコードも小さいサイズはやめてほしいな、などを考えながら事前にお客様にアナウンスすることを心がけています。

と言いつつ、丸信は他の印刷会社より和紙等の経験が豊富で和紙や凹凸がある紙は上手であるとの評価を得ています。版やインキも日々進歩しているので、どんな条件でも上手く印刷できてお客様に喜んでいただけるように日々技術向上を心がけます。