株式会社丸信

三方よし通信

三方よし通信

【社長コラム】競争→協創

長く続いたコロナ禍も5類へのダウングレードによって、いよいよ本格的なアフターコロナ時代に突入しました。未だ残るインフレの影響は小さくないですが、多くの外国人をどこの大都市や交通機関でも見かけるようになり、日本経済もプラスに向かうと期待したいものです。

さて、先日嬉しい報告がありました。弊社では以前より「会援隊」というクラウドの受発注システムを開発しております。(正確にはパッケージソフトをカスタマイズしました)既に食品小売り流通業の多くのお客様にはご利用頂いております。通常、包装資材の卸売業ではお客様からのFAX等でご注文を頂いたものを営業事務が受注入力を行い、それによって倉庫でピッキングリストが出て、それをピッカーがピッキングして、トラックで配達するというのが業務の流れです。この会援隊を使えば、お客様はパソコンやタブレットなどから商品の写真を確認しながら、いつでも直接注文できる上に過去の履歴なども調べられます。これは最初からデジタルデータですから弊社側での受注入力が必要ありません。お客様にとっても弊社にとっても簡単で有効なシステムだと自負しております。実はこの度、当システムを全くの競合である同業者様に採用頂きました。会合でお会いした際にお困りだったので、情報提供した所、見学に来られ、ご検討の結果、ご採用頂きました。

規模の大きな競合ですから、自社開発も十分可能であったと思われますが、包装資材の卸売業の基本業務はどこも大差ありません。扱っている商品も大部分が重複しています。弊社で既に多くの商品を登録しているので、弊社に乗っかった方が垂直立ち上げが可能だと判断されたのだと思います。これにより弊社の開発コストも薄まります。まさにWIN‒WINだと思います。

システムだけではありません。実は既に弊社の一部の営業所では、別の競合と物流倉庫を共同運用しています。もちろん営業の現場ではこの2社とはしっかりと競争していますが、裏方を中心に組むべき所はしっかりと組むこともこれからの時代は必要だと考えています。

むしろ我々の業界が遅れているだけで、ビール業界等では共同物流は当たり前ですし、金融業界でも三菱UFJと三井住友は維持コストの高いATMを共同利用しています。厳しい時代ですから単純な競争でなく、協創も時として必要なのだと考えています。