三方よし通信

三方よし通信

紙の契約を超えて。有事に機能する「血の通ったBCP」とは

熊本で発生した地震、そして千葉を襲った記録的な豪雨など、各地で相次ぐ自然災害により被災された皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。被災地の皆様が一日も早く穏やかな日常を取り戻せるよう、私共もできる限りの支援を続けてまいります。

自然の脅威を前にするたび、私たちが扱う包装資材や印刷物が、どれほどお客様の事業、ひいては地域の「食のインフラ」を支えているかを痛感させられます。もし万が一、私たちの工場が被災したら、お客様の出荷が止まってしまう――。この重大な責任に向き合う中で、私共は長年、全国の同業者様と「有事における相互代替生産の覚書(BCP協定)」を締結してまいりました。

実際に、今回、熊本で被災された同業の印刷会社様から「印刷機が壊れ、工場が止まってしまった」とご連絡を頂きました。事前に交わしていた覚書に基づき、私共の工場ですぐに代替生産を引き受け、その会社のお客様へ無事に製品を納品できるよう日々努力している所です。

一方で今回、私には一つの強い確信と、新たな課題意識が芽生えました。

それは、「BCPとは、単に契約書を交わして安心するためのものではない」ということです。

万が一の危機が訪れた際、契約書という「紙の約束」があるだけでは、現場は即座には動きません。データの互換性、色合わせの基準、用紙や刷版の仕様、現場オペレーターの細かなノウハウなど、事前の擦り合わせがなければ、いざという時に予期せぬタイムラグや修正作業が発生してしまいます。

だからこそ、私共は今、BCPのあり方をもう一歩先へと進化させたいと考えております。

それは、「平時から実際にお互いの仕事を日常的に生産し合っておく」という取り組みです。

有事の備えを「特別な避難訓練」で終わらせるのではなく、平時の業務フローの中に組み込んでおく。定期的にお互いのデータを受け取り、小ロットでもテスト生産や相互受注を行っておくことで、仕様の差異や現場の課題は事前にクリアされます。そうすれば、真の有我が起きたその日、パニックを起こすことなく、文字通り「翌日から滑らかに」生産のバトンを渡すことができるのです。

一社の力には限りがあります。しかし、志を同じくする同業者様同士が横の繋がりを強め、平時から手を携えておくことで、どんな試練が訪れてもお客様の供給ラインを死守する「強固なネットワーク」が完成します。これからも私共は、こうした血の通ったBCPの輪を、全国のパートナー企業様と共に広げてまいりたいと今回の反省を込めて考えております。

末筆ながら、重ねてのご案内かつ、熊本のお客様に置かれましては、それどころではないとお叱りを受けるかも知れません。
誠に恐縮ですが、今月15日、16日には弊社の自社展示会(MARUSHIN よりそうSOLUTION FAIR)を福岡国際センターで開催いたします。
https://www.maru-sin.co.jp/marushin-fair/
先行き不透明な時代ではございますが、皆さまと今後のお客様のご発展の一助とすべく準備を進めています。可能なお客様はお繰り合わせ上、ご参加頂けましたら幸いです。

株式会社 丸信
代表取締役 平木洋二